ここから本文です。
更新日:2023年3月1日
令和5年第1回赤穂市議会定例会の開会にあたり、新年度予算案をはじめ、諸議案のご審議をお願いするに際しまして、私が市政運営を担っていくうえでの所信の一端を申し述べ、議員各位をはじめ、市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
私は、さきの市長選挙におきまして、無投票による当選という結果を受け、2期目の市政を担わせていただくことになりました。改めて、その責任の重さを実感し、身の引き締まる思いであります。
1期目の市政運営にあたっては、議員各位をはじめ、市民の皆様のご指導、ご理解をいただきながら、市民一人ひとりの力こそがまちづくりの一番の原動力であるというゆるぎない信念のもと、市政の更なる発展に向け全身全霊で取り組んでまいりました。
しかしながら、長期化するコロナ禍に加え、原材料価格の上昇やエネルギー・食料価格の高騰などにより市民生活は大きな影響を受けています。また、国の想定を上回るスピードで少子化、人口減少が進展する中、地方創生の取組みをはじめ、出産・子育て支援の充実、更には激甚化・頻発化する自然災害に備えるための防災・減災対策など、従来にも増して地方自治体を取り巻く環境は厳しさを増しております。
このため、私は職員と一丸となり、粉骨砕身全力でこの難局に立ち向かってまいる所存であります。
次に、市政推進に向けての財政計画についてご説明申し上げます。
先般、国においては、足元の物価高を克服しつつ、経済再生の実現に向け、成長分野への大胆な投資等による新しい資本主義を加速させるため総額約114兆4千億円の令和5年度一般会計予算が編成されたところであります。
本市における財政状況は、歳出において、病院事業会計への経営改善に向けた繰出金を確保するほか、人件費や扶助費などが引き続き高い水準で推移する一方で、歳入において、地方消費税交付金などの増収が見込まれるものの、市税など一般財源収入全体では伸びが期待できないため、依然として基金を取り崩さざるを得ない厳しい財政環境にあります。
このため、新たに第9次赤穂市行政改革大綱を策定し、多様化する財政需要に対応し、人口減少が進む中でも持続可能な行財政運営を確立するため、現実の歳入規模に見合った行財政構造へと見直しを図ってまいります。
次に、2030赤穂市総合計画に掲げました将来像「自然と歴史に育まれ笑顔と希望あふれる活力のあるまち」を実現するための4つの柱に沿いまして、主要な施策を中心に、その概要をご説明申し上げます。
市民の皆様が住み慣れた地域で支え合いながら誰もが地域社会の一員として、いきいきと安心して暮らすことができるよう、赤穂市地域福祉計画に基づき、社会福祉協議会をはじめ、社会福祉法人や関係機関等と連携を深めながら、人と人とのつながりや関わり合いを更に強化してまいります。
また、生活保護の医療扶助におけるオンライン資格確認を導入するため、生活保護システムを更新し、受給者の方々の利便性を高め、自身の健康管理に役立てていただけるよう努めてまいります。
子ども・子育て家庭の支援については、児童虐待やヤングケアラーなど子どもを取り巻く様々な課題に対応するため、引き続き子ども家庭総合支援拠点運営事業として子ども家庭支援員を配置し、子どもや子育て家庭に寄り添った相談・支援業務を実施します。また、子どもの居場所づくりについては、食材配布により、生活に困窮している子育て家庭を支援するとともに、地域の身近な相談窓口として、子どもが必要とする支援と行政をつなげる活動を行う団体に対して新たに補助金を支給し、子どもが健やかに成長できる環境を整備してまいります。
子育て環境のPRについては、引き続き子育てフェスタを開催するなど、あこう子育てアンバサダーを中心に子育て支援情報の発信・PRに努め、地域全体で子育てを支援する気運を醸成してまいります。
また、子育て世帯の経済的負担を軽減するため、学校給食費については、第3子以降の無償化を継続実施するとともに、幼稚園児及び小・中学校生の給食費の一部無償化を実施いたします。また、保育所の待機児童については、引き続き保育人材の確保などにより、その解消を図ってまいります。
障がい者福祉については、障がいの有無に関わらず尊重しあえる共生社会の実現のため、障がいに対する理解を深め、障がいのある人が住み慣れた地域で暮らすことができるよう、引き続き地域生活支援事業として相談支援事業、意思疎通支援事業や手話奉仕員養成研修事業、医療支援型グループホーム運営支援事業などを実施してまいります。
高齢者福祉については、高齢者が生きがいをもって健やかに暮らすことができるよう、引き続きいきいき百歳体操、フレイル予防教室などの介護予防事業を実施するほか、高齢者の日常生活の支援体制の充実・強化に努め、地域包括ケアシステムを推進してまいります。
国民健康保険制度については、高齢化の進展や医療技術の高度化等の影響による一人当たり医療費の増加や、被保険者数の減少などにより、安定的な運営が困難な状況が続くと想定される中、県下の保険料水準の統一に向けて、年度間負担の公平性を確保する観点から、計画的かつ段階的に保険税率の改正を行うとともに、引き続き生活習慣病の予防対策や後発医薬品の使用促進等に取り組み、被保険者の健康増進と医療費の適正化に努めてまいります。
介護保険制度については、第8期介護保険事業計画の最終年度を迎え、介護サービス給付等の実態把握に努めるとともに、引き続き介護予防の強化に取り組んでまいります。
後期高齢者医療制度については、兵庫県後期高齢者医療広域連合と連携を図るとともに、市民の皆様の窓口として、保険料の徴収、各種申請の受付等の役割を果たしてまいります。
健康づくりについては、誰もが住み慣れた地域で、健康でいきいきと暮らしていくことができるまちづくりを目指し、それぞれのライフステージに応じた健康づくり活動を推進してまいります。
母子保健対策については、不妊治療を受けられる方に対し、妊活応援金を支給するほか、妊婦健康診査費用の助成金額の増額、不育症治療費や不妊治療ペア検査費助成の所得制限を撤廃するなど、安心して子どもを産み育てられる支援の充実を図ってまいります。
また、全ての妊婦・子育て世帯が安心して出産し、子育てができるよう、妊娠期から出産・育児期まで切れ目なく身近において相談に応じ、必要な支援につなげる伴走型相談支援と出産・育児関連用品購入費用の一部を助成する出産・子育て応援給付金の支給をしてまいります。
病院事業については、引き続き地方公営企業法の全部適用で運営してまいります。その運営に当たっては、地域の医療機関との連携強化等による収入の確保や経費削減による費用の抑制などに努め、経営改善に引き続き取り組んでまいります。さらに、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが変更されることを踏まえた適切な感染症対策をはじめ、病院職員が一丸となって公立病院として安全・安心な医療を提供できるよう対応してまいります。また、一般会計からも最大限の支援を行ってまいりたいと考えております。
災害に強いまちづくりについては、近年、自然災害が激甚化・頻発化する中、更なる防災・減災対策が求められており、県と連携して防災対策に取り組むとともに、災害時における即応力の向上を目指して、防災意識の普及啓発と地域を中心とした自主防災組織による防災総合訓練などを、引き続き実施してまいります。
消防・救急体制については、消防ポンプ自動車の更新や消防・救急業務の要である通信指令設備の安定運用を図るために必要な改修を行ってまいります。非常備消防体制としては、第11分団詰所の移転新築や第7分団消防ポンプ自動車の更新のほか、団員の階級にある者の年額報酬を引き上げるとともに新たに出動報酬を創設し、処遇改善を図ってまいります。
次に、安全な暮らしの実現については、赤穂市通学路交通安全プログラム等で実施した点検結果を踏まえ、危険箇所や通学路を中心に防護柵やカーブミラーなどの交通安全施設を整備するほか、車両の抜け道となる道路への注意喚起看板の設置などを行うとともに、国や県に対しても対策を要望し、登下校時の子どもたちの安全確保を図ってまいります。また、消費生活相談を充実させるとともに、年々、手口が複雑巧妙化している特殊詐欺などに遭わないよう、啓発活動に努め消費者の被害抑制に引き続き取り組んでまいります。
土地利用の推進については、地域の実情に応じた土地利用を図るため、特別指定区域制度等の活用に向け、土地利用計画の見直しを検討してまいります。
道路網と公共交通体系の構築については、国道2号や国道250号など広域幹線道路の整備促進及び事業化を関係自治体と連携しながら、引き続き国や県に要望してまいります。なお、国道250号高取峠については、相生・赤穂広域幹線道路整備促進協議会や議会の意見等も伺いながらトンネル化及び局所的な交通事故防止対策について要望してまいります。
また、赤穂大橋線に係る用地買収や物件移転補償事業などに取り組み、都市計画道路の整備のほか、通学路側溝整備工事や舗装修繕工事を適宜実施してまいります。
本市の公共交通のマスタープランである地域公共交通計画については、地域の皆様のご意見やアンケート結果、近畿運輸局からの提案等を踏まえ、公共交通事業者、関係機関や住民等で組織する地域公共交通活性化協議会において協議を重ねながら策定してまいります。
市内循環バス「ゆらのすけ」及びデマンドタクシー「うね・のり愛号」の運行については、東備西播定住自立圏形成推進協議会圏域バス「ていじゅうろう」や路線バス及びタクシー事業者とも連携しながら、引き続き公共交通としての利便性向上に努めてまいります。
また、近隣自治体と連携した要望活動等により、JRの利便性向上と利用促進に努めてまいります。
水とみどり豊かなまちづくりの推進については、赤穂城跡公園二之丸庭園における西中門の整備や第4種公認に向けた赤穂城南緑地陸上競技場の整備に取り組むほか、公園施設の安全・安心対策事業を実施し、子どもや高齢者等、誰もが安全で安心して利用できるよう都市公園を整備してまいります。
自然・生活環境の保全については、市民の生命の源である清流千種川をはじめとする豊かな自然環境を保全するため、引き続き大気や水質等に関する環境調査を実施してまいります。また、飼い主のいない猫の不妊・去勢手術費用の助成及び啓発活動を引き続き行ってまいります。
なお、市内の産業廃棄物最終処分場建設計画については、反対の立場でその動向の把握に努め、引き続き議会をはじめ、関係自治体、産業廃棄物最終処分場建設反対赤穂市民の会等と連携しながら、適切に対応してまいります。
水道事業については、引き続き経営の効率化、合理化に努め、安心で安全な水を安定して供給するため、管路やポンプ等の更新を計画的に進めるとともに、水質安全対策として原水源地において紫外線処理設備工事を実施してまいります。
下水道事業については、水道事業と同様、引き続き経営の効率化、合理化に努めながら、土地区画整理地内における管渠整備のほか、御崎地区雨水渠整備工事等を実施してまいります。
また、将来にわたり適切な維持管理と計画的な施設・設備の更新を図るため、「(仮称)赤穂市上下水道事業在り方検討委員会」を設置し、今後の上下水道事業のあり方について検討してまいります。
ごみ処理施設については、新施設へ移行するまでの間の安定稼働を図るため、令和4年度から3か年計画で行っている大規模改修工事を引き続き実施してまいります。
住環境については、空家対策として、赤穂市空家等対策計画に基づき、危険空家の除却や空家となった古民家を再生する場合の費用助成を継続実施してまいります。また、兵庫県空家等活用促進特別区域制度により、空家等を活用して、まちなみ景観を維持・保全するとともに、移住、定住及び交流を通じて地域の活性化を図ってまいります。
土地区画整理事業については、引き続き保留地の販売に努めるほか、有年地区及び野中・砂子地区の区画道路築造工事などに取り組むとともに、野中・砂子地区に隣接する宅地の有効活用を図るための隣接道路を整備してまいります。
農業・漁業の振興については、引き続き新規就農者や認定農業者等の担い手確保に取り組むほか、生産者、赤穂市漁業協同組合、JA兵庫西等の関係機関と連携しながら、牡蠣、ミカン等の地場産品についてブランド価値の保護及び新規ブランド化を推進するとともに、農業用施設の防災・減災対策などを実施してまいります。また、田端・上浜市地区のほ場整備事業の事業化を図るため、基礎資料となる調査を引き続き行うとともに、農業振興地域整備計画の見直しに取り組んでまいります。
地域産業の振興と就労環境の充実については、引き続き工場立地促進条例に基づく奨励金の周知を図り、立地企業の設備投資を促すとともに、市内への企業誘致や留置につなげてまいります。また、赤穂ふるさとづくり寄付金については、地場産品の返礼品を充実させ、地域経済の活性化につなげるとともに、本市の魅力発信により更なる寄付金の増収を図ってまいります。
観光振興については、令和4年に候補DMOとして登録された「一般社団法人あこう魅力発信基地」と連携し、官民が一体となって本市の持つ多彩な魅力を積極的に発信し、交流人口の拡大につなげてまいります。
また、忠臣蔵や国史跡赤穂城跡に加え、二つの日本遺産を活用し、地域経済の活性化につなげるよう引き続き取り組んでまいります。
地域間交流については、姉妹都市である笠間市及び山鹿市をはじめ、西尾市などとのスポーツ・文化活動を通じた交流を行うほか、全国の忠臣蔵ゆかりの自治体との交流を推進してまいります。
ロッキングハム市との交流については、児童合唱団の音楽交流を実施するなど、より一層関係が深まるよう国際交流協会と連携して取り組んでまいります。また、4名のALTを配置し、児童生徒の英語や国際社会、異文化に対する理解と意識の醸成を図ってまいります。
人口減少、災害や公共交通など広域的な取組みが必要な行政課題への対応については、引き続き東備西播定住自立圏形成推進協議会や播磨圏域連携中枢都市圏をはじめ、兵庫県市長会、西播磨市町長会、兵庫・岡山両県境隣接市町村地域振興協議会等を通じて、近隣自治体と連携し、取り組んでまいります。
移住・定住の促進については、あこう魅力発信基地と連携し、本市の持つ多彩な魅力の発信に努めるほか、お試し暮らし住宅事業の拡充を図るなど、移住を希望する人たちに赤穂市を定住先として選択してもらえるよう取り組んでまいります。
教育環境づくりについては、赤穂市教育振興基本計画に基づき、「夢と志を育む教育」の実現に向け、総合的かつ計画的に整備してまいります。
学校給食センターについては、新学校給食センター整備基本計画に基づき、用地を取得するとともに、設計・施工事業者を選定し、3か年計画で整備事業を進めてまいります。
幼児教育については、家庭や地域との連携を深めるとともに、幼児の「生きる力」の基礎を育み、一人ひとりの発達や特性に応じたきめ細かな教育を充実させてまいります。
義務教育については、これからの時代を生き抜く児童生徒に必要な資質・能力を育むため、ICT環境を効果的に活用して学習活動の充実を図り、児童生徒に基礎的かつ基本的内容を確実に習得させるなど、確かな学力の定着に努めてまいります。
児童生徒の学びについては、各学校において主体的かつ対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を図ってまいります。特に、学習の基盤となる情報活用能力の育成や個に応じた教育の充実を図り、これからの時代に対応した新たな教育活動に努めてまいります。また、中学校の部活動については、外部指導員の配置により、可能な限り現状の指導体制の維持に努めるとともに、生徒たちが継続してスポーツや文化活動に親しむことができる環境づくりを進めてまいります。
特別支援教育については、通常学級においても、一人ひとりの障がいの特性に応じたきめ細かで適切な指導を受けることができるよう、特別支援教育指導補助員を配置し、学習環境の充実や施設整備を図ってまいります。
地域に開かれた学校園づくりについては、市内全ての小・中学校に設置している学校運営協議会いわゆるコミュニティ・スクールを中心として、地域への愛着や誇りを育めるよう、特色ある学校づくり推進事業、トライやる・ウィーク推進事業及び環境体験事業などを通して地域とともにある学校づくりを推進してまいります。
青少年の育成については、青少年育成推進委員や学校サポートチーム及び関西福祉大学等の関係機関と連携して、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、心の教室相談員を配置し、教育相談活動を充実させてまいります。また、全ての小・中学校へのスクール・サポート・スタッフの配置等により教員の業務改善を進め、教員が児童生徒一人ひとりと向き合う時間を確保してまいります。
市民会館や地区公民館については、生涯にわたって学び楽しむことができるよう、計画的な設備・備品等の設置により、環境整備に努めてまいります。また、生涯学習については、中央公民館や各地区公民館を拠点として、高齢者大学や歴史講座などの各種講座を開催し、引き続き多様化する市民ニーズに対応してまいります。
図書館については、照明設備改修に係る実施設計などを行うほか、絵本講座やブックスタート事業などの読書活動事業をはじめ、電子書籍の充実やブック宅配サービスにより、引き続き読書に親しむことができる環境を整えてまいります。
スポーツ活動については、赤穂市スポーツ推進計画に基づいて、誰もが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツに親しむことができるよう、活動の場と機会を充実させるとともに、体育協会をはじめスポーツ関係団体と連携して、市民総合体育祭や各種スポーツ大会などの開催を支援し、地域におけるスポーツ・レクリエーションの普及に努めてまいります。
また、スポーツの振興と交流人口の拡大を図るため、忠臣蔵旗少年剣道大会などを引き続き支援するほか、赤穂義士杯青少年柔道大会、市長旗争奪少年野球大会、国体剣道競技近畿ブロック大会や各種県民大会などの広域大会の開催により、スポーツによる元気なまちづくりを推進し、全国に忠臣蔵のふるさと播州赤穂を発信してまいります。
互いが尊重しあえる社会の実現については、近年SNS等を通じた個人に対する誹謗・中傷が多く見受けられることなどから、家庭、学校、地域などあらゆる場や機会を通じて人権啓発活動を推進し、人権意識の高揚、普及啓発に努めてまいります。また、男女共同参画社会づくりについては、令和6年度から10年間の計画となる第3次赤穂市男女共同参画プランの策定に着手し、社会のあらゆる分野で性別に関わらず全ての人が対等に参画できる機会を確保し、ともに責任を分かち合う社会づくりを目指してまいります。
歴史文化遺産の保存・活用については、引き続き赤穂城跡の二之丸城壁整備などの文化財保存整備事業を行うほか、指定地内民有地の取得を進めてまいります。また、図説赤穂市史の編集や市史史料集の発刊のほか、獅子舞などの伝統文化の映像記録化や赤穂市伝統文化祭の開催など文化財の公開と活用を図り、積極的に情報発信をしてまいります。
歴史博物館においては、特別展「(仮称)児嶋なか生誕200年記念赤穂緞通展」を開催するほか、美術工芸館においては、特別展「赤穂ゆかりの日本画展」などを開催してまいります。
文化会館については、多様な文化芸術活動の拠点施設として多くの方々に利用いただく交流の場となるよう運営に努め、4年ぶりとなる松竹大歌舞伎や赤穂名人寄席の鑑賞事業を開催するほか、フェスタ・アルモニカ・イン・アコウ合唱の祭典やピッコロ劇団ファミリー劇場わくわくステージなど市民が参加・体験できる事業を実施し、文化芸術活動の振興と奨励を図ってまいります。
また、文化団体とも連携しながら、市民文化祭や美術展などを開催するほか、引き続き文化活動激励金を支給するなど、様々な文化芸術活動を支援してまいります。
ル・ポン国際音楽祭については、赤穂の名を広く国内外に発信し、交流人口の拡大により、地域の活性化や観光振興につなげるとともに、市民の皆様が気軽にクラシック音楽に触れ、楽しんでいただく機会を提供してまいります。
コミュニティ活動の活性化については、それぞれの地域の特色を活かした地区まちづくりビジョンを実現するため、各地区における自発的なまちづくり活動を支援してまいります。
社会全体でデジタル化の流れが加速し、地方自治体においても様々な分野で業務のデジタル化が求められていることから、税、住民基本台帳、子育てなどの基幹業務システムの標準化・共通化への対応を図り、行政のデジタル化に向けた取組みを推進してまいります。
また、マイナンバーカードは、行政手続きのオンライン化に必須となることから、公民館等における出張申請受付や申請サポート業務を実施し、その取得を促進するとともに円滑な交付に努めてまいります。
個人情報保護制度については、令和5年4月1日からの改正個人情報保護法の施行に伴い、法に基づく全国的な共通ルールによる運用へと変更されることから、円滑な制度の移行となるよう努めるとともに、引き続き市が保有する個人情報の適正な管理・運用を図ってまいります。
行政情報については、広報あこうやホームページのほか、SNS、動画配信など様々な情報媒体の特性を活かして広報活動を行い、市民の皆様との情報の共有化に努めるとともに、ミニ対話集会を引き続き実施するなど、市民と行政とが共に歩む、開かれた市政を推進してまいります。
また、複雑・多様化する市民ニーズを的確に把握し、地域の諸課題を解決していくためには、市民の皆様をはじめ、企業や各種団体、NPO、大学等との協働によるまちづくりが必要不可欠であります。
このため、パブリックコメントの実施や審議会委員等の公募など、市政全般において、市民参加の機会を引き続き設けてまいります。
関西福祉大学とは、引き続きインターンシップ制度や大学院への職員派遣研修等を通じ、時代の要請に的確に対応できる人材を養成するなど連携を深めてまいります。
一方で、本市の財政環境は、依然として基金を取り崩さざるを得ない状況が続き、更に原油価格や物価の高騰に伴う経費負担も大きく増加しております。こうした中で、市民に寄り添った施策を総合的かつ計画的に展開していくためには、不断の行財政改革に取り組むとともに、企業版赤穂ふるさとづくり寄付金など積極的な歳入の確保に努め、効率的で効果的な事業実施を行っていく必要があります。
限られた人員の中ではありますが、全体の奉仕者として職員一人ひとりが高い倫理観と強い使命感・責任感のもと、常にコスト意識と経営感覚を持ち、時代の変化に的確に対応し、市民の目線で考えながら変革・創造ができる人材の育成に努めるとともに、コンプライアンスに対する意識の向上に引き続き取り組みながら、風通しの良い生産性の高い職場環境を構築してまいります。
以上の考え方のもと編成しました令和5年度の歳入歳出予算は、
一般会計 |
228億3,000万円 |
(前年度比3.6%増) |
---|---|---|
特別会計 |
113億1,010万円 |
(前年度比3.0%増) |
企業会計 |
182億5,342万5千円 |
(前年度比2.2%減) |
合計 |
523億9,352万5千円 |
(前年度比1.4%増) |
であります。
ウイズコロナの下、目まぐるしく社会経済情勢は変化し、行政が取り組むべき課題も山積しております。困難な課題にも全力で取り組み、市民の皆様の声を聞き、一つ一つ着実に問題を解決しながら、将来を見据えたまちづくりを進めてまいる所存でありますので、どうか、格段のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
お問い合わせ