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更新日:2019年10月1日

小田さんにインタビュー

小田さん写真

質問

赤穂市に移住を決められたきっかけや、移住されるまでに検討された地域などを教えてください。

回答

妻の出身が奈良市で、私は元々広島県の山間部の出身です。移住前の奈良は海ナシ県なので、海を求め、伊勢志摩あたりには行っていましたが、4年前から小旅行で四国・中国地方の瀬戸内の沿岸や島を訪れ始めました。太平洋側と比べ瀬戸内の海は温暖で、おだやかな波に魅せられました。移住するなら年齢的にも「今でしょ!これから、気力・体力が低下するので・・・」と移住先探しを始めました。

和歌山、琵琶湖周辺も検討したが、和歌山は少し足の便がよくない。赤穂市だったら、行こうと思えば日本海側にも行ける。和歌山から日本海に行くのは時間的に日帰りではしんどいですね。

奈良・大阪(仕事)から2〜3時間で、海近か、家庭菜園ができる所を条件に、瀬戸内沿岸を探し歩きました。

条件は妻の意向が大きい。菜園付住宅もあるが数坪の菜園では限りがあります。私はその辺りの事情も分かっていて、地方に行けば耕作放棄地が増えているので、畑を貸してもらおうと考えていました。

多品種の野菜を栽培しようと思っていたので。この辺りに来れば耕作放棄地もあるでしょう。こちらに引越してすぐに、近くの人が草刈が大変だから畑を使わないかと向こうから声をかけてきてくれました。春に来たけれど、秋ぐらいまでゆっくり畑を探せばいいわと思っていたのがすぐに決まり、翌日には耕耘機をすぐに入れてあげるわと動いてくれ慌てました。まだ引越しの荷物も片付いていないのに、春から夏にかけてずっと忙しかったです。

質問

畑作業はどのようになされているのですか。

回答

畑は30坪以上あると思います。また、秋になって近くの人がここもやってくれというので、増やしました。今は玉ねぎやエンドウを植えています。最初はそこまで畑作業をするつもりはなかったのですが、あまりに周りの人がお膳立てをしてくれるので(笑)。畑にはイノシシ等が出るので、農林水産係の助成金で防護柵を造りました。奈良市にいる時から、暇を見つけては援農をしていました。いきなり広い所を借りても作業が大変です。妻もちょいちょい畑に出ていますが、まずは家の片付けがあるので大変です。引越し先の家が古いので補修をしたりなんだかんだ作業があります。

家も土地も広いから、補修はやり始めたらきりがないけれど、何とか落ち着いてきたところです。大概旧市街地(折方)はどこの家を見ても広いです。土地が広いのと、過疎で空き家もたくさん出てきています。同じ金額だったら大分土地が広いのでこの地域に住むことに決めました。

質問

赤穂のイメージはどうでしたか。実際に下見に来る前に旅行で来られたりもしましたか。

回答

親戚や知り合いもいない所で、忠臣蔵の赤穂浪士と塩の城下町程度の一般的な印象しか持っていませんでしたが、下見で、市内を歩き回り、海・川・里山の豊かな自然環境にも恵まれていると感じました。旅行に来たこともありません。下見には、淡路島をはじめ、姫路、相生、たつの、上郡まで3~4回は播磨全体で見ています。

質問

赤穂に決められたのはどの頃からですか。

回答

ある程度、播磨辺りに絞り込んだ時点で、どんな物件にしようかと考えだしました。妻も一緒に休みの時下見をし、その際に空き家も見ていました。瀬戸内海の方に行きたいというのは、意見は一致していました。寒い所は苦手で、日本海側に行く気はありませんでした。四国は交通の便を考えれば…、淡路島までかなと考えていました。

質問

赤穂市内を検討された中でどういった地域を考えられたのですか。

回答

坂越や上郡、天和、相生を検討し、赤穂の中でも市街地よりは少し外れたところをと考えました。元々庭付きに留まるつもりはなかったので、近くで菜園が借りられそうな所を考えました。

質問

赤穂市に住んでみての感想はどうですか。

回答

期待と不安が半々で引越しましたが、”住めば都”の気持ちで次第に不安が薄れてきました。自然環境に恵まれていますが、一時的な滞在や旅行ではなく、地に足をつけた新しい暮らし始まるので、身近な人的環境も大事な事と思っていました。これは、住んでみなければわかりません。当初は日本語が通じる異郷の地に来たつもりで、意識的に外に出るようし、地域の人たちの言葉、習慣、風習、暮らし方、生活文化などに接しましたが、人との出会いに恵まれたと思います。ただ、バス等の本数が少なく、赤穂駅から離れた郊外は車がなければ生活しにくいです。JRの本数も少ないので、市外に出かける時は不便です。地方はどこも同じような事と思いますが。

質問

赤穂で出会った人、知り合った人が沢山いらっしゃるそうですね。

回答

生活のインフラ(買い物、病院、薬屋、GS、金融機関、公共機関、町内会の行事等)情報や最寄りの催しやイベントを教えてくれる、お出かけの情報通の名ガイド、20年前赤穂市に転入され、暮らしのアドバイスをしてくれる移住の大先輩、季節のおいしい野菜を分けてくれるプロの農家さん、休耕地を使って野菜づくりを・・・と畑を貸してくれた地主さん、川釣りしか知らなかったが、海釣りの楽しさを伝授してくれる、さより釣りの師匠、釣ってきたタイやカワハギを分けてくれる、海釣りの達人、ノビノビした線で、コミカルでユーモラスな動物を描くイラストレーターの原石、夜間、自転車で転げ怪我をしたが、応急処置してくれた赤ちゃん連れのお母さん、気前よく果物や野菜の苗を分けてくれる果樹づくりの名人、山野の草花に詳しく、里山の散策や絶景ポイントを教えてくれる理科の先生、イヌ談義に花が咲く、3匹の犬を飼うおじさん、晩ごはんの一品に?と、近くの川で魚釣りを楽しむおばさん、エイがシジミを食べに川を上がってくると教えてくれた、川のそばに住むおじさん、リタイヤ後を、ボランティアに励んでいる人、親子でメダカすくいに来たが子どもそっちのけで、夢中にメダカを追っていた園児の若いお父さん、イノシシの肉を分けてくれた人は、手作りのマイ包丁で見事にさばくスゴ腕の持ち主、赤穂に通うため、セカンドハウスを持ち、菜園や釣りなどで第二の人生を楽しむ夫婦など、短期間に個性豊かでフレンドリーな人たちに出会いました。

暖かく迎え入れてもらっていると、実感しています。少しずつコミュニティにとけ込めたらと思っています。

質問

移住をしてから、赤穂市の文化の中で驚いたことはありますか。

回答

以前は奈良公園のそばに住んでいましたが、観光のコースでもあったので、緑も多いけれど市街地の延長という雰囲気でした。当地は兼業の方が多い雰囲気です。古い集落なので住んでいる人は子どものころから知り合いという人が多いですね。同じ苗字の世帯が多く、私の住む辺りはみんな下の名前で呼び合っています。

奈良ではよその家を訪ねる時は、チャイムを鳴らし、インターホンで確認してから外に出るのですが、ここなんかはいきなり「おってですか~!」と玄関ドアが開きます。あれには妻も少しびっくりしたようです。多分私の住んでいる辺りはほぼ顔見知りでそういう付き合いをしているのでしょう。

春に引っ越してきて、秋ごろから畑をしようかと思っていたら、いきなりこれ余ったからと苗を持ってきます。そこから焦って植えてきました。そのため春から夏にかけては苗を植えたり、畑の土つくりをしたりと結構忙しかったです。農協に出荷している人がお隣さんなので農協にもよく行きます。農協の苗、種、米は定住応援商品券で購入しています。

質問

今年は引越しされて、少しずつコミュニティにとけ込めたらとありますが、来年はどうしたいですか。

回答

今の延長になるでしょうが、移住先の家が古く補修が大変でした。それをもう少ししたいです。あとは海の方でまだ行っていない島にも少しずつ行きたい。

質問

赤穂市に移住を検討されている方へのメッセージをお願いします。

回答

赤穂の人は知らない人間を放っておけない人柄。「おってですか~」、洗濯物を干していたら「雨降ってきたよ~」とかね。この辺りは播州弁があるとはいえ、ぎりぎり関西圏なので、言葉が関西弁なのは大事でした。妻は関西を出たことがないので、ここが限界かなと思って移住の1つの決め手になりました。

若い方には市街地の選択肢もある。海寄りの方(御崎や尾崎)も検討段階で見た。あの辺りは建物も新しいし、比較的若い人が多いという印象があります。折方は山あり谷あり田畑ありで、アニメの「ととろ」の集落のような感じがしました。若い方は仕事が優先になるから駅に近い方が良いかも知れないですが。

自分の足で探してみれば物件は見つかります。私も当初は世間並みにネットで探したけれど、ネットの情報は大手の不動産情報が多いのでこちらが思っているような地元の情報が載らなかったりします。聞いていると空き家を売りたい人も、あまり大手の会社に載せたくないという意見も聞きます。顔見知り同士で物件を紹介できる方が安心ができ良いようです。

私も最初はネットで連絡を取って案内をしてもらったり、駅前のレンタサイクルで自転車を借りてうろうろしていました。車で行くと乗ったらあっという間についてしまうので位置関係や方向など、全く分かりません。やはり地図を見ながら、現在地を確認しながら探すのが良いと思います。駅までどのくらいあるのとか距離感がつかめます。

また、赤穂の市街地は特に道がつかめませんでした。道が奈良市と比べて碁盤の目のようにまっすぐではなく、バイアスになっています。最初は東に行っているつもりが、いつの間にか南に行っていたりします。銀行に行くのに、見えているからこの道路を行けばいいのではと行って迷ったりしました。お城を敵から守る為に道路が直進で行けないようになっているそうですね。東西の線が少ないのが特徴です。土地勘をまだつかめていないのだが城下町だなと思います。奈良や京都から来た人間は碁盤の目の道路感覚で進むので違和感があります。(東横インを除き)高い建物もないから目印もないので、当初自転車でうろうろしたり、車だったら最悪で何度もUターンしました。結構同じ間違いをしています。新しい道路はそうでもないが、古い町並みは中々迷っていけませんね(笑)

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