○赤穂市市民参加に関する条例
平成17年3月25日
条例第7号
赤穂市は、歴史と文化のある、豊かな自然に恵まれた美しいまちです。
私たち市民は、このまちに誇りをもつて暮らしています。そして、市民が輝いて生活することのできるまちづくりを進め、次の世代へと引き継いでいくことを強く願つています。
このようなまちを実現するためには、市民一人ひとりのまちづくりへの思いが市政へ反映される仕組みが必要であり、市民と市が、相互の信頼関係に基づく協働によるまちづくりを行うため、私たち市民誰もが、市政に参加することができるようこの条例を制定します。
(目的)
第1条 この条例は、市民参加を推進するための基本的な事項を定めるとともに、より良いまちづくりのため、市民と市がともに考え、その実現に向け協働によるまちづくりを進めていくことを目的とする。
(1) 市民参加 市が行う施策の企画立案から意思決定に至る過程において、市民が自己の意思を反映させることを目的として意見を述べ、又は提案を行い、市民と市が協働することにより、市民が市政に参加することをいう。
(2) 市民 市内に在住、在勤、在学する個人及び市内に事務所又は事業所を有する法人、その他の団体をいう。
(3) 協働 市民と市がそれぞれの果たすべき役割を理解し、相互に補完し、協力することをいう。
(4) 実施機関 市長(上下水道事業を含む。)、教育委員会、選挙管理委員会、公平委員会、監査委員、農業委員会、固定資産評価審査委員会、病院事業管理者及び消防長をいう。
(5) 審議会等 地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項の規定により設置する審議会等及び市の施策の企画立案、行政活動等について意見交換、提言等を行うため要綱等により設置する懇談会等をいう。
(6) パブリックコメント手続 市の施策を行うにあたり、実施機関がその趣旨、内容その他必要な事項を公表し、書面等により広く市民の意見等を求める方法で実施する手続をいう。
(7) 意見交換会等 実旋機関が行う施策課題等の説明に基づき、市民の意見等を聞く手法で行う手続をいう。
(8) ワークショップ 市民と市又は市民同士が相互に議論等を行うことにより、案を作り上げていく手法で行う手続をいう。
(平30条例28・令4条例10・令5条例21・令6条例21・一部改正)
(基本原則)
第3条 市民参加の基本原則は、次の各号のとおりとする。
(1) 全ての市民に、平等に参加する機会が与えられることにより行われなければならない。
(2) 市民と市が市政に関する情報を共有することにより行わなければならない。
(3) 市民と市がまちづくりの協働のパートナーとして、相互に尊重しなければならない。
(4) 市民の多様な価値観等に公平かつ的確に対応して行わなければならない。
(市民の責務)
第4条 市民は、協働の精神のもと自主的かつ自発的に市民参加を行うよう努めなければならない。
2 市民は、自らの発言と行動に責任をもつて市民参加を行うよう努めなければならない。
3 市民は、市民全体の公共の利益を推進することを基本として、市民参加を行うよう努めなければならない。
4 市民は、市民参加を推進するため、公益的な市民活動に理解を深めるよう努めなければならない。
(市の責務)
第5条 市は、市民参加の機会を積極的に設けるよう努めなければならない。
2 市は、市民自らが市政について考え、行動することができるよう情報の提供に努めなければならない。
3 市は、市民が容易に市民参加できるよう創意工夫に努めなければならない。
(市民参加手続)
第6条 この条例における市民参加の手続(以下「市民参加手続」という。)の方法は、次の各号のとおりとする。
(1) 審議会等への付議
(2) パブリックコメント手続の実施
(3) 意見交換会等の開催
(4) ワークショップの開催
(5) 住民投票の実施
3 実施機関は、必要があると認めるときは、第1項各号に定める市民参加手続を併用して実施するものとする。
(市民参加手続の対象等)
第7条 市民参加手続の対象となる施策は、次の各号のとおりとする。
(1) 市の基本的政策を定める計画及び個別行政分野における施策の基本的事項を定める計画の策定又は変更
(2) 市の基本的な方針又は制度を定める条例の制定又は改廃に係る案の策定
(3) 市民の生活に重大な影響を及ぼす条例の制定又は改廃に係る案の策定
(4) 市民に義務を課し、又は権利を制限する条例の制定又は改廃に係る案の策定
(5) 公用又は公共用に供される重要な施設の建設等に係る計画の策定又は変更
(6) 前各号に掲げるもののほか、特に市民参加手続を実施する必要があると認められるもの
(1) 関係法令等の規定に基づいたもので、政策的な判断を要しないもの
(2) 意見聴取手続又は実施基準が法令等に定められているもの
(3) 国又は他の地方公共団体との間において共同で事業を行つているもの、又は既に存在する事実上の標準に準拠して決定することが合理的と認められるもの
(4) 施設、設備の維持管理に関するもの
(5) 市内部にのみ適用されるもの
(6) 軽微なもの
(7) 緊急を要するもの
3 実施機関は前項第7号の規定により、市民参加手続を実施しなかつた場合においては、事後速やかにその理由を公表するものとする。
(実施時期)
第8条 実施機関は、市民参加手続を実施するときは、前条第1項各号に掲げる施策の企画立案から意思決定に至る過程における適切な時期に行わなければならない。
(提出された意見等の取扱い)
第9条 実施機関は、市民参加手続を経て提出された意見等を市の施策に反映させるよう努めなければならない。
2 実施機関は、前項の規定による意見等に対する検討を終えたときは、赤穂市情報公開条例(平成17年赤穂市条例第2号)第7条に規定する非開示情報(以下「非開示情報」という。)に該当するものを除き、規則で定める事項について公表するものとする。
(審議会等への付議)
第10条 実施機関は、市民の知識及び経験に基づく審議又は意見交換により提言、報告等を求める必要がある場合は、審議会等に付議する。
2 実施機関は、審議会等の委員の選任にあたつては、他の審議会等の委員就任状況等を勘案し、市民から幅広く選任するよう努めるものとする。
3 実施機関は、第1条の目的を推進するため、審議会等に市民公募による委員を選任するよう努めなければならない。
4 審議会等の会議(以下「会議」という。)は、原則として、公開とする。
5 実施機関は、開催した会議の会議録を作成しなければならない。
6 会議録は、非開示情報である部分を除いて公表するよう努めなければならない。
(パブリックコメント手続)
第11条 実施機関は、パブリックコメント手続を実施しようとするときは、あらかじめその内容等を公表しなければならない。
2 市民が意見等を提出するときは、規則で定める提出方法によるものとする。
3 パブリックコメント手続を実施する場合の意見等の提出期間は、原則として1月以上とし、意見等を求める事案の内容に応じて適切に定めるものとする。ただし、緊急の必要がある場合その他やむを得ない場合はその限りでない。
4 意見等を提出する市民は、原則として住所、氏名等を明らかにしなければならない。
(意見交換会等の開催)
第12条 実施機関は、意見交換会等の開催にあたつては、市民が広く参加できるよう開催日時、開催場所、議題等をあらかじめ公表しなければならない。
2 実施機関は、意見交換会等を開催する場合は、説明に係る資料等を配布するなど、参加者の理解を得られるよう努めるものとする。
3 実施機関は、意見交換会等を開催したときは、開催記録を作成しなければならない。
4 開催記録の公表にあたつては、第10条第6項の規定を準用する。
(ワークショップの開催)
第13条 実施機関は、ワークショップの開催にあたつては、前条の規定を準用する。
(住民投票)
第14条 市長は、特に重要な政策で市民の意思を直接問う必要がある場合は、住民投票を実施することができる。
2 住民投票の実施については、必要のつど別に条例で定める。
(その他の市民参加手続の設定)
第15条 実施機関は、この条例の定めによるもののほか、必要と認めるときは、第6条に定める市民参加手続以外の市民参加の手続を実施することができる。
(市民参加手続の実施状況の公表)
第16条 市長は、毎年市民参加手続の実施状況をとりまとめ、これを公表するものとする。
(委任)
第18条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
付則
この条例は、規則で定める日から施行する。
(平成17年規則第44号で平成17年10月1日から施行)
付則(平成30年3月26日条例第28号)抄
(施行期日)
1 この条例は、平成30年4月1日から施行する。
付則(令和4年3月28日条例第10号)
この条例は、令和4年4月1日から施行する。
付則(令和5年3月31日条例第21号)
この条例は、令和5年4月1日から施行する。
付則(令和6年3月27日条例第21号)
この条例は、令和6年4月1日から施行する。